6,こわくなーい頭痛の話
 前回は,こわーい頭痛の話をしましたので,今回は,こわくなーい頭痛の話をしましょう.
 こわくない頭痛の東の横綱は,緊張型頭痛と呼ばれるものです.その名のとおり首や肩の筋肉が持続的な緊張状態にあるために,筋肉に疲労や循環障害が生じて頭痛が起こるものです.私たちが診察する頭痛の半数以上は,緊張型頭痛といわれています.起こり方からもわかるように,痛みの部位は後頭部から頭頂部に強く,締め付けられるような感じが主体です.肩こりと平行して起こることも多いですが,必ずしも肩こりを自覚しない場合もあります.悪い姿勢(とくに首を前に突き出して,物の匂いをかぐときのような姿勢),針仕事,コンピューター,書き物などで悪化することが多いようです.痛みは通常半日以上持続しますが,睡眠によって軽快するのも特徴です.治療は肩に負担をかけないための生活指導と薬物療法です.
 心配のない頭痛の西の横綱は,有名な偏頭痛です.その名のとおり,右か左の片方の頭だけが痛むことも多いのですが,両側が痛むこともあります.典型的な発作には前駆症状があり,診断は容易です.前駆症状の中でも,視覚の異常は最も特徴的ですが,人によって種類は異なり,一様ではありません.一方,典型的な前駆症状のない偏頭痛は,緊張型頭痛との区別が難しいこともあります.偏頭痛は女性に多く,家族に同様の頭痛を持つ人が多いのが特徴です.月経,空腹,睡眠不足などが誘因となることもあります.持続時間は一般に緊張型頭痛よりも短く,数時間で終わることが多いようです.治療はまず誘因を避けること,さらに発作を予防する薬や発作を止める薬を上手に使うことです.緊張型頭痛と偏頭痛の両方がミックスしている場合もあります.
 このほか,頭痛の原因として目,耳,鼻,歯,首などの病気が原因となっていることも珍しくありません.特に眼科領域では緑内障,耳鼻科領域では副鼻腔炎などが有名です.
 以上の様な頭痛は直ちに命に別状を来すものではありませんので,決して恐れる必要はありません.しかし,それぞれの原因を明らかにして,きちんと治療をしておくことは大変重要です.中には緑内障のように,放置すると失明する場合もありますので,まずは一度ご相談ください.
 次回は排尿障害についてお話ししたいと思います.

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