3,ストレスと健康
 現代社会はストレスが多い社会と言われています。このストレスという言葉もかなり昔から、一般的に使われています。最近は小学生までが「ストレスが多くて大変だ。」などと言っています。
 アメリカでは人生に生じる色々な出来事がどれくらいのストレスになるかを得点で表すような研究をした人がいます。その研究によれば、43種類の出来事の中で「配偶者の死」が100点と最も高得点で、一番強いストレスになるとしています。
 以下、「離婚」が73点、「刑務所への収容」と「近親者の死亡」が63点、「本人の怪我や病気」が53点、「失業」が47点、「引退」が45点などが続き、得点が少ないところでは「上司とのトラブル」の23点、「一万ドル(約120万円)以下の借金」の17点、「小さな交通違反」の11点などが挙げられています。
 そして、この点数の合計が年間200点以上になると心筋梗塞や胃潰瘍などの身体の病気や不眠症やうつ病などの心の病気が起こりやすくなってくるとして、注意を促しています。
 おもしろいことには、「結婚」の50点とか「長期休暇」の13点とか「クリスマス」の12点などどう見ても喜びであったり、楽しみであったりすることも点数がつけられています。
 しかし、よく考えてみれば結婚も他人と新しく生活を始めるというストレスになる出来事ですし、クリスマスもいかに楽しく家族で過ごすかということを考えなければならないということになると、特にアメリカ人にとってみればストレスになるのでしょう。
 このように、人生においてはつらいこと、苦しいことだけがストレスになるのではなく、楽しいこと、嬉しいこともストレスに成り得るのです。したがって、ストレスが全くないということになると,生きがいや生きる楽しみまでもが感じられないことになります。
 過度なストレスは健康に悪いのですが、適度なストレスを感じながら、生きていくことは決して悪いことではありません。
 ストレスとうまく付き合う生き方をぜひマスターして下さい。
(精神科部長 田北昌史)

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