2,かぜ薬
 今年(平成10年)はかぜが大流行した上,重症化する方が多かったように思いますが,皆様はいかがでしたか?一段落ついたとはいえ,まだまだかぜで来院される方は少なくありませんので,引き続きご注意下さい.そこで,今回はかぜについてお話ししたいと思います.
 普通,かぜというと,鼻,のど(咽頭と喉頭),気管,気管支などの感染と,それに引き続いて起こる炎症をいいます.感染を引き起こす病原菌は,細菌とウイルス(昔はビールスと呼んでいました)に大別されます.
 鼻やのどのかぜ(特に起こり始め)は,大部分,ウイルスが原因です.ウイルスによるかぜには特効薬がありません.抗生物質も効きません.そこで,症状を緩和しながら,体力の回復を待つことになります.ウイルスによるかぜの中に症状が大変激しく(高熱,関節痛,腹痛,下痢など),冬場に流行するものがありますが,これがインフルエンザです.最近,一部のインフルエンザウイルスに有効な薬が登場しました.また,インフルエンザは冬に入る前にワクチンを打てば,かなりの程度予防できるのはご存じですね.
 ウイルスと違って,細菌によるかぜは放っておくとなかなか治りません.かぜをこじらせて肺炎になるのは,大部分が細菌感染です.そのかわり抗生物質が有効ですので,きちんと治療すればそれほど恐れることはありません.
 原因がウイルスでも細菌でも,かぜの症状は似ています.そこで私たちは症状を緩和する目的で薬を使います.例えば咳があまりひどくて夜も眠れないようなら,それだけで体力を消耗しますので,咳止めが必要です.熱や鼻水も辛い症状ですから,解熱剤や鼻水止めが必要かもしれませんね.また,食欲がさっぱりないときには点滴しなければ脱水状態になってしまいます.特に高齢の方は脱水に弱いのでご注意ください.ただ一口に咳止めといっても,痰の多いときと少ないときでは,使う薬が違います.また,さまざまな強さの薬があります.他の病気をお持ちのかたは,飲み合わせにも注意する必要があります.このように,ただかぜといっても,使う薬は一人一人の症状に合わせて,いく通りもの組み合わせがあります.どうか病院へおいでになったら,「かぜです」で済まさないで,症状を具体的に教えてください.そうすれば,あなたのかぜに一番適した薬を処方できると思います。

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