9,薬の服用時間と飲み忘れ
 薬で何より大切なことは、指示された通りにきちんとの飲むことです。指示通りに服用して初めて効果が現れるように、薬は処方されています。
ところが服用時間の指示もさまざまで、食直前、食前、食後、食間など紛らわしく、間違えたり忘れたりすることも珍しくありません。その結果、効き目が落ちたり、時には思わぬ副作用を招くこともあるので、注意が必要です。

 以下にいくつかの例を挙げますので参考にして下さい。
@ 胃薬や消化を助ける薬を服用している方が、食後に飲み忘れたという場合はあまり気に しなくても結構です。次の食事の後に忘れずに飲みましょう。
A 血圧の薬を朝食後に飲むようになっていたが、朝食を摂らなかったから、薬も飲まなかったというケース。これはいけません。血圧の薬は、一日一回朝に服用する場合は、便宜的に朝食後としていますが、本来は食事の有無とは関係ありません。朝食を抜いた日も必ず服用して下さい。また、何の薬でもそうですが、薬を飲み忘れた時の対処法について、主治医に指示をもらっておくとよいですね。
B 糖尿病の方で血糖値を下げる薬をもらっている場合はどうでしょう?基本的には服用してから食事をする。あるいは食事をしてから服用するということになっています。したがって、食事前に飲み忘れたら、食後に服用しても差し支えない場合が多いのです。ただし、中には食事前に服用しなければ効果のでないものもあります。例えば比較的新しい糖尿病の薬の中には、食事の10分前から食直前に服用すると決められているものがあります。服用時間にうるさくこだわる薬と思われるかもしれませんが、食事の30分以上前に服用すると低血糖を起こしやすく、食後に服用したのでは効果が出ないという薬なのです。このあたりは、普段から主治医や薬剤師に、飲み忘れた時の対処法を聞いておくと良いでしょう。

 一般に、薬は1日三回食事をとること、そして食後の薬がもっとも飲み忘れが少ない(だろう)ということを前提に処方されています。すなわち一日三回飲む必要のある薬は、毎食後と便宜的に決めてあるのです。しかし、最近は生活パターンも多様化していますので、個々人の生活リズムに合わせた薬の飲み方を、医師に相談しても良いでしょう。
 高齢の方の場合には、朝・昼・夕・寝る前という具合に、一回に服用する薬をまとめて一つの袋に入れてもらうと、服薬が正確で確実になります。また袋には、服用する予定の日付を入れておくと便利です。

 薬の服用方法はその効果が最大限に発揮されるように定められています。そこで何よりも患者の皆様ご自身のために、面倒がらずに指示を守って服用なさってください。
 また、服薬カレンダーをつけると、飲み忘れてもその日時と量がわかり便利です。次回の診察の折、主治医に見せてください。飲まなかったのに飲んだふりをするのは、とても危険なことです。

 薬と直接の関係はありませんが、検査のために当日の朝食はとらずに来院するようにいわれていた方が、うっかり食事をとってしまった場合、黙って検査を受けると診断を誤らせるので、必ずそのことを報告し、指示を受けるべきです。また、薬によっては、検査と関係なく服用した方がよい場合もあります。絶食の指示を受けたときは必ず、「薬も飲まないでくるのですか?」と確認しておきましょう。
 また、「ステロイドは副作用が強く危険な薬だ」、「抗生物質は耐性ができると大変」、といったふうに自分で決め込んで、処方の中にこれらの薬が入っていると飲まなかったり、飲んだふりをしたりする方がありますが、納得できない時は、医師・薬剤師に説明を求めて下さい。


まとめ
 ● 飲み忘れは正確に報告
 ● 飲み忘れの時の対処法を聞いておく
 ● 薬の袋に日付けを
 ● 絶食指示の時、薬はどうか確認

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「よりよい介護のための 89のヒント」メディカルレビュー社発行より引用しています