1,寝たきりはこうして予防
 お年寄りがけがや病気をすると、ご本人もご家族も、一日も早い回復を願うあまり、安静にして寝て過ごすことが多いのではないでしょうか? 状況によっては、安静にすることも必要です。しかし、安静にしすぎると、かえって良くない場合もあります。筋肉が弱ったり、関節が固くなったりして手足が動かず、寝返りもできなくなってしまうこともあります。このような状況が続くと、寝たきりになってしまうのです。
 寝たきりには、いろいろなパターンがあります。本当は動くことができるのに、自分で動こうという意欲がなくなった「寝たふり状態」、誰かが手を貸すと動くことができるのに放置されている「寝かされ状態」、そして自分では全く動くことができず、意欲もない「寝たきり状態」などです。
 寝たきりになると、どのパターンであっても、他人の手を借りて生活しなければならず、非常に不自由になってしまうのです。お年寄りを大切に思うがゆえ、何でもしてあげたくなるのが人情ですが、これはかえって逆効果です。
 寝たきりを予防するためには、次のようなことを心がけながら介護しましょう。

○お年寄りの障害の程度を知り、どのくらい自立してやっていけるかを確認しましょう。 
 自分でできること、少し介助が必要なこと、そして自分ではできないことを判断します。ご自分でできないことはしっかり介助し、少し助けが必要なことについては、必要な部分だけ手助けします。そして、たとえ時間がかかっても、手を出しすぎず、優しく見守り、できたことは共に喜び、ほめることが大切です。ほめることで自信をつけさせ、自分でやろうという意欲につなげていきましょう。

○お年寄りが部屋の中で動きやすいように生活環境を整えましょう
 段差をなくして歩きやすくしたり、手すりをつけたり、椅子やベッドの高さを調整したりして、お年寄りが立ちやすい工夫をします。転倒しないような工夫も大切です。転倒→骨折が寝たきりのきっかけになることも少なくありません。

○生活の中でリハビリテーションを行いましょう
 生活動作の一つ一つがリハビリにつながります。一日中寝間着で過ごすのではなく、朝・夕の着替えを行いましょう。着替えることで気分にメリハリが出る上、意欲の向上にもつながります。また着替える動作は、手足を動かすため、それだけで運動になります。このように、日常生活のちょっとした動作もリハビリになるのです。

○寝たきりのきっかけとなる、けがや病気を防ぎましょう
 これは、何よりも大切なことです。日頃から、きちんと健康管理をしていきましょう。生活に楽しみを持つこと、そして自分は元気であると思えること、これが寝たきりを防ぐ秘訣であると言えるでしょう。寝たきりになってしまったお年寄りの介護は、とても大変です。介護する方自身のためにも、お年寄りに残された機能を十分に発揮していただくように心がけ、常に自立を目指して介護しましょう。


まとめ
 ●過剰な援助は寝たきりのもと
 ●危険防止のために環境整備を
 ●生活の中に、楽しみを
 ●寝たきりの原因となる、けがや病気を防ぐ

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「よりよい介護のための 89のヒント」メディカルレビュー社発行より引用しています