アフガニスタン地域医療支援

活動報告

福岡赤十字病院 助産師 井ノ口美穂 (派遣期間:平成21年8月24日~平成22年2月25日)

アフガニスタンでの活動の様子 アフガニスタンは長引く紛争のため市民の生活は疲弊しており、インフラの破壊や地域の格差など様々な問題を抱えています。そのような中、赤十字国際委員会(以下ICRC)は10年以上前から紛争犠牲者の救済のために様々な支援を行ってきました。今回私は平成21年8月からアフガニスタン・カンダハール市のミルワイズ病院でICRCの産婦人科チームの助産師として、現地助産師の教育を6ヵ月間行ってきました。

 ミルワイズの産婦人科は月700~800件の分娩と50件以上の帝王切開、1,500件以上の外来患者を診ていました。病院に着く以前の胎児死亡も出生後1時間以内の新生児死亡は40~50件と高い数値を示していました。これらの原因は、アフガニスタンでは妊婦健診が定着しておらず、妊娠中に十分な健康管理が行われず、また間違った知識の食生活や産後ケアを行うことで異常を起こしていることが考えられました。現地助産師は帝王切開以外のお産はすべて行い、赤ちゃんを取り出す技術についてはとても高いものを持っていましたが、医学的な観察・判断・指導を行うことが難しく、合併症を持った妊・産・褥婦へ正しい治療を提供することができていませんでした。

アフガニスタンでの活動の様子 私たちは助けられる命を助けるために現地助産師と一緒に仕事を行っていきましたが、その中で感じた事は、女性が教育を受けるということの難しさや地域社会で働くことの難しさです。助産師も例外ではなく、計算ができなかったり集団で協力し働くことが難しかったり、通勤も安全に病院までたどりつけるという保障はなく、毎日の生活の安全に対する保障など一切ない環境という困難を抱えていました。そしてそれらは現在も続いており、一足飛びに解決できる問題ではないと感じました。しかし女性が安全に子供を産むことができるよう、救う事ができる命を救えるよう、現在もICRC産婦人科チームは母子を救うためにカンダハールの助産師とともにアフガニスタンでの活動を続けています。